医科診療報酬に関する要請(保団連中国ブロック協議会)

当会も所属する保団連中国ブロック協議会では10月6日、医科診療報酬に関する要請書(下記)を内閣総理大臣等に提出しました。


内閣総理大臣 石破  茂 殿

財務大臣   加藤 勝信 殿

厚生労働大臣 福岡 資麿 殿

全国保険医団体連合会中国ブロック協議会

 鳥取県保険医協会 島根県保険医協会

 岡山県保険医協会 広島県保険医協会

 山口県保険医協会

医科診療報酬に関する要請書

厚生労働行政全般へのご尽力に感謝申し上げます。

 さて、当協議会は、診療報酬や行政指導など、保険医療制度全般についての改善、充実を目指す活動に共同で取り組んでいます。その一環として、2014年4月以降、診療報酬改定のたびに影響調査を行っており、今回2024年6月診療報酬改定についても改定影響調査を行いました。

 今回の改定では、職員の賃上げを目的としたベースアップ評価料の新設、マイナ保険証の利用拡大のため医療情報取得加算の見直し、医療DX推進体制整備加算の新設など、医療機関の体制整備にかかる改定内容が大きなトピックスとなりました。また内科系の診療所の多くが生活習慣病管理料の再編により、多大な影響と混乱を被りました。

 当協議会では8月、これらを中心に、保険医である会員がどのように評価しているかについてアンケート調査を実施。57.9%の会員が「今回の改定でマイナス(減収)になった」と答え、特に精神科では77.3%がマイナスと回答し、「プラス(増収)になった」の4.1%をはるかに上回りました。改定全体についても、実に80.7%の会員が、今次改定を「評価しない」と答えています。

 個別の設問では、ベースアップ評価料に対する否定的な意見が多く、54.6%が職員のベースアップを行ったとしつつも、「届け出た」会員は39.3%にとどまり、53.1%が「今後も届け出る予定はない」と答えています。医療DX推進体制整備加算を「今後も届け出る予定はない」とした会員は37.0%でした。なお、マイナ保険証の利用拡大については、半数に近い44.8%の会員が「反対」と答え、「賛成」の28.7%を上回りました。

当協議会ではアンケート結果や現場の声を踏まえ、下記の事項の実現を要請いたします。

  • 健康保険被保険者証を廃止しないこと。
  • マイナ保険証の利用率を診療報酬の施設基準にしないこと。
  • 医療DXの諸政策を強制、強行しないこと。
  • 職員の賃上げ対策は、新設のベースアップ評価料だけではなく基本診療料の引き上げで行うこと。
  • 生活習慣病管理料は、併算定できない点数を見直すこと。
  • 書類の作成が義務付けられている診療報酬は医療従事者の負担が大きく見直すこと。
  • 通院在宅精神療法の点数を引き上げ元に戻すこと。
  • 長期収載医薬品の選定療養は廃止すること。
  • 医薬品の安定供給に国として積極的に取り組むこと。

以上