レセプト「摘要」欄記載のコード化に関する理事会声明

当会では、4月19日、今次改定でのレセプト「摘要」欄記載のコード化による事務負担増に対して、下記の「理事会声明」を発表しました。


レセプト「摘要」欄記載のコード化に対する度重なる要請を無視し、

更なる負担を強いる改定内容に抗議する

 本年4月1日、2022年度診療報酬改定が強行された。当会では、新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、医療機関が置かれている現状から改定実施はあまりに無謀だとして延期を求めてきた。にもかかわらず、厚生労働省は、改定説明会は行わずに動画配信のみにとどめたばかりか、改定直前の3月31日深夜に一部訂正の事務連絡(100頁)、疑義解釈(156頁)を発出するなど、厚生労働省自身の対応が後手に回り、現場を一層混乱させる事態を引き起こしている。
当会が、前回改定以降、繰り返し要請してきたレセプト「摘要」欄記載のコード化についても、改善されるどころか、これまでの「別表Ⅰ」で膨大に項目が増やされただけでなく、「別表Ⅱ」(薬価基準)を新設し、使用した医薬品に係る施設要件や医師要件等の入力まで求めている。さらには、DPC病院を対象に「別表Ⅲ」を新設し、検査値の入力も求めているが、こうした施設要件や医師要件、検査値の入力などは保険請求には全く不必要な内容であり、まさにレセプトの「カルテ」化に向けた施策である。そもそも国が医療情報を集積化したいがために、医療機関が負担を強いられること自体が言語道断で、事務負担を増大させるだけである。
本年3月末から、当会には多くの質問や疑問が寄せられているが、新型コロナウイルス感染症に最前線で対応する現場からは、こうした保険診療とは無関係の事務負担増に対する憤りの意見も出されている。これ以上の負担は、医療崩壊に拍車をかけるとともに、医療従事者の「働き方」改革に反するばかりか、過労死へと追い込むことにつながるもので、断じて認められるものではない。
当会では、現場に過重な負担を課し医療崩壊に拍車をかける、レセプト「摘要」欄記載のコード化は即刻中止するよう、強く要請するものである。
 

2022年4月19日 山口県保険医協会理事会