2026年度診療報酬改定率、実質わずか2.22%での合意に抗議する(会長声明)
2026年度の診療報酬改定率をめぐる大臣折衝が12月24日にプラス2.22%で合意に至ったことを受け、当会は同日に下記の会長声明を発出しました。
2026年度診療報酬改定率、実質わずか2.22%での合意に抗議する
12月24日、片山財務大臣、上野厚生労働大臣による大臣折衝で、2026年度診療報酬改定率が全体で2.22%として合意された。当会では、医療機関経営はかつてない危機にあり、基本診療料を中心に診療報酬を大幅に引き上げることを求めてきた。診療報酬10%以上の引き上げは医療界全体の要求であり、関係閣僚はじめ国会議員に会員要請署名を提出し、現場の切実な声を政府へ届けてきただけに、今回の決定には抗議せざるを得ない。
改定率は、賃上げ対応分1.70%、物価対応分0.76%、食費・光熱水費分0.09%、緊急対応分0.44%、通常改定分0.25%のプラスとしたが、適正化・効率化分▲0.15%のマイナスで、差し引き診療報酬本体は3.09%の引き上げとされた。一方、薬価・材料価格は0.87%の引き下げであり、全体では7回連続の実質マイナス改定は避けられたとは言え、ごく僅かなプラス改定となっており、地域医療の危機打開にはまったく不十分なものとなった。これらを主導している財務省は前回同様、恣意的なデータで情報操作を繰り返し、「病院分と診療所分のメリハリ付け」と称して意図的に「分断」をあおり、「診療所を狙い撃ち」にしてきた。「適正化・効率化」によるマイナス分は、処方・調剤の適正化、在宅医療・訪問看護の適正化、長期処方・リフィル処方の取組強化などが示されており、改めて診療所の報酬単価に係る点数を引き下げると宣言したものである。
したがって、当会としては、今回の合意内容は到底認められない。20年以上にわたる診療報酬削減政策によって、崩壊寸前に追い込まれている医療機関を立て直すためには10%以上の診療報酬引き上げが必須であり、ごく僅かなプラス改定では地域医療の崩壊を食い止めることは不可能である。当会では、基本診療料を中心に診療報酬10%以上の大幅引き上げが不可欠であることを改めて訴えるものである。
2025年12月24日 山口県保険医協会 会長 阿部 政則

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