2026年度予算案の審議と高額療養費制度の見直しに関する要請書

国会での予算審議について、当会は3月5日に下記の「要請書」を内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣あてに送付しました。

2026年3月5日

内閣総理大臣

高市 早苗 様

山口県保険医協会

会長 阿部 政則

2026年度予算案の審議と高額療養費制度の見直しに関する要請書

 現在、特別国会では2026年度予算案に向けた審議が行われていますが、高市首相の指示のもと、年度内成立に向けて審議時間の短縮が強引に進められています。しかし、同予算案には社会保障の後退につながる高額療養費制度の見直し案が含まれており、全国保険医団体連合会が1月に緊急実施した患者影響調査(1,701件)や、患者団体等が2月19日に厚生労働省へ提出した「負担限度額引き上げ撤回を求める」署名(25万筆)には、「治療継続が難しくなる」といった声が多く寄せられています

当会では、一昨年の予算編成方針の段階から高額療養費制度の見直し撤回を政府に要請してきました。国民的運動によりいったん凍結となったものの、今回の見直し案においても、70歳未満の現役世代では38%増となる所得区分(年収650~700万円)もあり、70歳以上の外来特例についても所得区分(年収200~370万円)では55%の大幅な負担増となります。一方で、政府が負担増の理由とする「現役世代の保険料軽減」の効果は、2026年度予算で国民1人あたり月49円に過ぎません。

厚労省は、多数回該当の負担額維持、現役世代への年間上限額の新設、年収200万円未満の課税世帯への配慮など、「長期療養者・低所得者に十分配慮した見直し」としていますが、年1~3回、同制度を利用する患者約660万人(全利用者の約8割)が負担増の対象となります。負担増による受診抑制を見込んで給付費1,070億円を削減する予算措置となっており、まさに重篤な疾患の治療や療養を有する患者の「命と健康」を引き換えにする制度の見直しです。

高額療養費制度は公的医療保険のセーフティネットであり、今回の見直しは到底認められるものではありません。同時に、政府は2026年度予算案を拙速に審議するのではなく、「税の在り方・使い方」を抜本的に見直すことを審議し、誰もがお金の心配なく安心して社会保障を受けられるよう、必要な財源を支出すべきです。

以上より、当会では、改めて下記の通り要請します。

一、高額療養費制度の自己負担限度額引き上げを撤回すること。

以上