長期収載医薬品の選定療養費化の撤回を改めて要請

当会では9月18日、改めて長期収載医薬品の選定療養化の撤回を求めるとして、厚生労働大臣に下記のとおり要請しました。


実質的な混合診療である長期収載医薬品の選定療養費化の撤回を改めて求めます

 本年10月1日実施予定である長期収載医薬品の選定療養費化について、厚生労働省では、「医療上の必要性」に関する疑義解釈通知を発出し(2024年7月12日事務連絡)、4つのケースを想定例として示しました。しかしながら、医師の判断である「医療上の必要性」を定義づけするものとなっており、大いに問題があります。これまで当会が指摘してきたように、そもそも患者の希望・選択による投薬はあり得ず、医師・歯科医師が診断の上、患者の状態等から判断して薬剤を選択・使用しているものであり、同通知は医師・歯科医師の裁量権を侵害するものと言わざるを得ません。

 また、今回の手法が、選定療養の仕組みを濫用していることは明らかです。健康保険法に基づき薬価基準に収載された長期収載医薬品をアメニティとして位置づけ、後発医薬品との価格差の4分の1は患者の希望によりペナルティとして負担増とする部分的な保険外しを省令改定のみで行っていますが、実質的な混合診療に他なりません。今後も、この手法による制度改定が危惧されますが、国民皆保険に基づく医療保険制度を根底から崩壊させるものであり、到底容認できません。

 政府は、薬剤自己負担の見直しについて、長期収載医薬品の選定療養費化のほかに、薬剤定額一部負担や薬剤の種類に応じた自己負担の設定、市販品類似の医薬品の保険給付の在り方の見直し、を掲げており、社会保障給付費を抑制するためにあらゆる提起を行っていますが、医療現場の混乱はもとより患者負担増に直結する施策は中止すべきです。

 つきましては、下記の事項について、改めて要請致します。

一、長期収載医薬品の選定療養費化(保険給付外し)は即時撤回すること。

以上