オンライン資格確認システム導入「義務化」及び「保険証廃止」の撤回を求める決議

 保団連中国ブロック協議会では、11月3日の第2回ブロック会議で標記の決議を採択、政府関係機関に送付しました。

 政府は「骨太の方針2022」に示した「2023年4月からのオンライン資格確認原則義務化」方針の通り、9月5日にオンライン資格確認の体制整備を保険医療機関等に義務付ける療養担当規則の改定を告示した。国が国民に義務を課すにあたり、その根拠は法において明らかにすべきにもかかわらず、資格確認の基本条文である健康保険法はそのままに省令改定で対応した上に、オンライン資格確認の体制不備が「保険医(保険医療機関)指定取消事由」との発言を行い、医師の人権や生活権をも脅かした。

 全国保険医団体連合会はじめ全国の保険医協会が実施したアンケートでは、「義務化反対」の声が強く示されている。すでに体制を整えた医療機関を含め、「オンライン資格確認の必要性を感じない」との意見も多数寄せられた。現時点でオンライン資格確認を運用する診療所は2割に達しておらず、こうした状況のまま来年の4月を迎えれば、システム化に対応できない医療機関は保険診療から排除され、地域医療は崩壊する。

 さらに、システム整備がマイナンバーカードの保険証利用とセットになったことで問題は倍化した。政府は10月13日、マイナンバーカードとの一体化を前提に「保険証を2024年に廃止する」と発表、「骨太の方針2022」における「原則廃止」をさらに進め、法的には任意であるマイナンバーカードの取得を国民に事実上義務付けた。医療機関にシステム整備を義務化してマイナンバーカードの普及を後押しさせ、さらに保険証の廃止まで打ち出したことは、医師の裁量権のみならず国民の受療権の侵害にもかかわる大きな問題である。

 そもそもマイナンバー制度には個人情報保護やセキュリティ問題など解決されていない課題が多い。オンライン資格確認を医療機関に義務付ける上で、その法的根拠を明らかにすべく国会審議は全く行われていないばかりか、法的根拠もないままマイナンバーカード取得を国民に義務付け、それを前提としたシステム導入を医療機関に強制することに反対する。「保険証廃止」という国民的問題も含め、国民が安心して医療にかかることができ、医療機関が安心してシステムに対応できる環境整備が行えるよう、国民、医療機関の事情を考慮した十分な議論が重要である。

 以上により、私たちは国民の医療を受ける権利を守る保険医の団体として、下記事項を国に対して強く訴えるとともに、その実現に向けて活動していくことを決議する。

一.医療機関へのオンライン資格確認システム導入の義務化は撤回すること
一.保険証はこれまで通り交付すること

2022年11月3日   全国保険医団体連合会中国ブロック協議会

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