現行の健康保険証を残す英断を求める ~衆議院議員選挙の結果を受けて~(会長声明)

当会では、10月28日、下記の内容で会長声明を発出しました。


【声明】

現行の健康保険証を残す英断を求める ~衆議院議員選挙の結果を受けて~

 10月27日第50回衆議院議員選挙の結果、与党が過半数割れとなった。「政治とカネ」をめぐる問題など様々なテーマが争点となった今回の選挙において、全国保険医団体連合会、各都道府県保険医協会・医会では、現行の健康保険証を残すことを争点とするため、各方面に訴えてきた。結果、「マイナ保険証の一本化(健康保険証の廃止)は時期尚早」といった報道が各地のマスメディアで相次ぎ、そうした民意が今回の選挙結果に反映されたものと言える。

 現行の健康保険証の廃止まで残り1か月近くとなった。当会はじめ全国保険医団体連合会が発表している「マイナ保険証(オンライン資格確認)をめぐるトラブル調査結果」からみても、医療現場でのトラブルがまったく収まっていないことは明らかである。さらに、マイナ保険証の有効期限切れによる資格確認の問題も新たに浮上してきている中で、現行の健康保険証さえあれば、これらのトラブルは解決する。健康保険証の廃止によって示された9種類にも及ぶ資格確認の方法も簡潔にできるのである。公費を投入し、医療機関、患者、自治体も巻き込んで、負担を増やすことが医療DXではないはずである。未完成な医療DXを無理やり医療現場に押し付けて、強引に進めてきた結果が、今回の選挙で下った審判でもあり、ここはいったん立ち止まることこそが肝要である。

 当会では、マイナ保険証に一本化せず現行の健康保険証を残す英断を政府に求める。そして、マイナ免許証と同様、マイナ保険証と現行の健康保険証を併用できる方針に見直すよう、改めて求めるものである。

2024年10月28日

山口県保険医協会 会長 阿部 政則