次期改定での診療報酬の大幅引き上げは不可欠!(会長声明)

当会では、11月26日、下記の内容で会長声明を発出しました。

次期改定での診療報酬の大幅引き上げは不可欠!

 本日(11月26日)、中央社会保険医療協議会(中医協)において第25回医療経済実態調査結果が発表され、医療機関経営はかつてない危機にあることが判明した。一般病院全体では損益率がマイナス7.3%、「損益率」の分布を見ると赤字病院が全体の7割近くを占めている。また、「損益率対前年度増減」の分布では、医科診療所69.3%、歯科診療所55.3%の医療機関がマイナスに位置しており、2025年度の現状はさらに厳しい状況であると言える。

 今回の結果からも、財政制度等審議会・財政制度分科会(財政審)が示した資料(11月5日、11月11日)がいかに恣意的で、印象操作に終始し、前回同様、「診療所を狙い撃ち」にして理不尽な主張を展開したのかがよく分かる。この間、厚労省は、社会保障審議会や中医協において、財政審自身が要求してきた「医療法人経済情報データベースシステム」(MCDB)による分析結果を発表し、医療機関の経営状況の著しい悪化を指摘していた。財政審が近くまとめる「秋の建議」において、疲弊する医療現場を軽視するような提言は絶対に認められないと断じておきたい。

 来年度の予算編成に向け、次期診療報酬の改定率は12月中に決まる見込みである。物価高騰による経費増への対応、職員の賃金引き上げが課題となっている中、解決策は診療報酬を大幅に引き上げる以外にない。診療報酬は20年にわたり引き下げられてきており、保団連・協会では一貫して10%以上の引き上げを求め続けてきた。ここに至って、医療界はその要求で一致し、改善運動を繰り広げてきているもので、政府はこの訴えを真摯に受け止め、今度こそ英断を下すよう求めたい。

 当会では、2026年度診療報酬改定において、基本診療料を中心に診療報酬を大幅に引き上げることを改めて訴えるものである。

2025年11月26日 山口県保険医協会 会長 阿部 政則