オンライン請求「義務化」の請求命令に対するパブリックコメントを提出

 当会では、9月19日、オンライン請求を「義務化」することに対するパブリックコメントの募集にあたり、下記の意見を提出しました。


 

 オンライン請求の「義務化」には反対する。したがって、今回の請求命令に規定する請求方法の見直しは実施しないこと、現行の取扱いのまま継続することを求める。

【理由】

 今回の改正案では、ロードマップに基づき、令和6年3月31日以前に光ディスク等で請求していた医療機関は、令和6年9月30日まで当該請求が認められるとして、期限を区切るものとなっている。「オンライン請求に移行するための計画」等を届け出る条件付きで、当該請求は継続できるとしたが、光ディスク等の請求はいずれ廃止する方針であることに変わりはなく、当会としては、改めてこの方針の撤回を求める。

 さらに、紙レセプト請求については新規適用を認めないとされ、また、令和6年3月31日以前に紙レセプトで請求していた医療機関は、「レセコンを使用していない旨」等を届け出れば、当該請求を行うことができるとした。しかし、これでは医療機関の経済的な理由で、光ディスク等請求から紙レセプト請求に切り替えようとしてもできなくなるなど、オンライン資格確認「義務化」と同様、廃業を後押しするという極めて不合理な結果を招きかねない。

 現在、光ディスク等又は紙レセプトで請求している医療機関は、約30.4%(約67,313機関)にものぼる。これらの請求方法は、医療機関の規模、構造、人手、診療スタイル等を考慮した上で選択しているものである。オンライン請求を「義務化」すれば、新たなシステム整備やセキュリティ対策など高額な設備投資を強いられることになるわけで、長年にわたる医療費抑制策により危機的な経営状況にある医療機関には、このような費用を捻出できる余裕は全くない。そうした実情に配慮せず、オンライン請求を「義務化」し、対応できない医療機関には閉院・廃院を迫るような強制的な方法は、地域医療に混乱を持ち込むだけである。実際に、当会が本年4月に実施した「オンライン請求『義務化』方針の撤回を求める要請署名」には、「義務化」されれば閉院せざるを得ない、「義務化」では医療崩壊を招く、といった切実な意見が出され、日常的にも相談が多く寄せられている。

 レセプトの請求方法は自由選択とし、医療機関の理解と協力の下、自発的な移行を進めていくことが求められる。したがって、オンライン請求の「義務化」には反対する。