歯科診療報酬の引き上げと歯科医療費総枠拡大を求める要請書(保団連中国ブロック)

保団連中国ブロック協議会では、9/25歯科医療活動交流会での決定を受け、標記の要請書を内閣総理大臣、厚生労働大臣に提出しました。


2022年9月25日

内閣総理大臣 岸田 文雄 殿

全国保険医団体連合会中国ブロック協議会
鳥取県保険医協会・島根県保険医協会
岡山県保険医協会・広島県保険医協会
山口県保険医協会

歯科診療報酬の引き上げと歯科医療費総枠拡大を求める要請書

 厚生労働行政へのご尽力に感謝申し上げます。
保団連中国ブロック協議会では、これまで、診療報酬や行政指導など保険医療制度はもとより、患者の受ける保険医療の充実と地域医療の維持・向上に向け、共同の取り組みを進めてきています。
今回の診療報酬改定は、長年、低歯科診療報酬におかれている歯科医療について、新型コロナウイルス感染症による受診控えや医療材料等の経費増という影響を受けるなかでの改定となり、患者の健康確保と医院経営の継続を図る対応が強く求められていました。しかしながら、院内感染防止対策に係る評価は不十分なものでしかなく、基本診療料の引き上げを含めても全体で0.29%の微増にとどまる内容となっています。
当協議会では、今次改定や新型コロナウイルス感染症拡大による歯科医療機関への経営的影響を把握するため、アンケート調査を実施しました。アンケートでは、4割に近い歯科医療機関で、患者減・請求点数減がみられ、2割を超える歯科医療機関が今後について「見通しが立たない」「閉院を考えている」と回答しています。感染症下での口腔ケアや口腔管理と全身の健康の関連性が重要視されているにも関わらず、それらへの評価は依然として低く置かれたままであり、材料・人件費をはじめ諸物価高騰も相俟って、地域の歯科医療を支える医療機関は危機的状況に置かれています。
今次改定で廃止された項目や改定内容は、医療現場の実態と乖離するものも多く、歯科用貴金属価格の随時改定の見直しは、急激な価格変動に対応しきれない不十分なものであり、これまでの「逆ザヤ」を補填するものともなっていません。また、オンライン資格確認義務化や保険証廃止の方針については、反対が6割にのぼり、強行的な推進を批判する意見も多くみられます。現状のままでは、歯科医療の向上や地域医療の維持すら危うくしかねません。であるからこそ、歯科医療費の総枠拡大を早急に実現すべきと考えます。
当協議会では、アンケート結果を踏まえ、下記の事項について早急に対策を講じるよう要請します。

要 請 事 項

1、初・再診料及び基礎的技術料の引き上げを行うこと。
2、院内感染防止の評価を引き上げること。
3、か強診の評価体系および施設基準の内容を抜本的に見直すこと。
4、歯科用金銀パラジウム合金の「逆ザヤ」解消のために、抜本的な制度の見直しを行うこと。
5、歯冠修復・欠損補綴を中心とした技術料を引き上げるとともに、適切な歯科技工取引のルールを確立し、歯科技工問題の解決を図ること。
6、オンライン資格確認システムの義務化の方針を撤回すること。
7、75歳以上の患者窓口負担の2割化を中止するとともに、患者負担の軽減を図ること。
8、保険でより良い歯科医療の提供のために、歯科医療費の総枠拡大を早期に実現すること。

以上

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