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次期診療報酬改定での本体の大幅引き上げを求める理事会声明

 次期診療報酬改定に向けて、財政審が「診療報酬本体のマイナス改定」を提言したことを受け、当会では、今回の提言に対して抗議し次期改定での本体の大幅引き上げを求める理事会声明を発表しました(11/16)。


疲弊した医療提供体制を立て直すため、
次期診療報酬改定での本体の大幅引き上げを求める声明

 11月8日、財政制度等審議会・財政制度分科会(財政審)では、診療報酬改定について言及した。その中では、「診療報酬(本体)の『マイナス改定』を続けることなくして医療費の適正化は到底図れない」、「薬価改定財源を診療報酬(本体)の上積みの論拠とすることは、フィクションにフィクションを重ねたものというより他はない」として、過去の経緯をまったく無視し、これまで以上に強い表現で、改定論議のあり方を見直すことなどを求める提言となっている。
 2022年4月改定を控える中、財務省は例年の如く、マイナス改定を求めてきたものだが、フィクションを重ねているのは財務省独特の論理であることに他ならない。財政審では、診療報酬(本体)の伸びがどのような水準かということを出発点として改定の議論を行うことが適当、としているが、医療の多様化や高度医療の保険収載により本体が伸びることは当然で、一方では汎用点数を引き下げた上、改定率に含まれない「外枠改定」という手法まで持ち込んで、マイナス改定を推し進めてきた。そもそも診療報酬とは、国民医療の水準、すなわち医療の質と安全を規定するとともに、医療従事者の確保や待遇改善など医療機関の原資を保障するもので、この視点が完全に欠如している。また、薬価改定財源の積み上げについても、1972年に中央社会保険医療協議会(中医協)において、「薬価等の引き下げ分は本体に振り替えて改定財源を捻出する」として合意されたものである。それを財務省が主導し2014年改定から勝手に振り替えないとした結果、全体では、2000年から累計10%以上のマイナス改定が続いており、疲弊した医療提供体制を作り出した主因となっている。医療費適正化と称して財源のみに固執した政策を進めてきたことが、医療崩壊へと導き、新型コロナ禍で露呈したものと言える。国民医療の充実、向上させるためには、次期改定において、本体のプラス改定とする以外にはあり得ない。
 また、財政審では、診療報酬改定と入院医療の機能分化、かかりつけ医機能の強化、働き方改革、さらには単価補正などにも触れ、次期改定に向けた中医協の論議をけん制していることも見過ごせない。露骨な政策誘導を展開し、さらにマイナス改定を繰り返し求めることは、コロナ禍で疲弊する医療現場を甚だ軽視していると言わざるを得ず、断固抗議するものである。
 当会では、疲弊した医療提供体制を立て直すため、次期改定において基本診療料を中心に、診療報酬本体を大幅に引き上げるよう強く訴えるものである。

2021年11月16日 山口県保険医協会理事会