活動報告

初診からのオンライン診療に反対し、原則「対面診療」の堅持を求める要望書を提出(保団連中国ブロック)

 保団連中国ブロックでは、8月29日、医科社保担当者会議を開催、下記の要望書を採択し、内閣総理大臣等へ送付しました(会議の詳報は会報10月号参照)。


2021 年8 月29 日

内閣総理大臣   菅  義偉 様
厚生労働大臣   田村 憲久 様
経済産業大臣   梶山 弘志 様
経済再生担当大臣 西村 康稔 様
行政改革担当大臣 河野 太郎 様

全国保険医団体連合会中国ブロック協議会
鳥取県保険医協会、島根県保険医協会
岡山県保険医協会、広島県保険医協会
山口県保険医協会

初診からのオンライン診療の恒久化に反対し、原則「対面診療」の堅持を求めます

 初診からのオンライン診療(「オンライン初診」)の恒久化が、「骨太方針2021」において規制改革の柱に位置付けられ、その具体化を盛り込んだ「規制改革実施計画」とあわせて閣議決定されました。現在、厚生労働省による「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」(検討会)での議論が進められています。
 そもそも「オンライン初診」は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、昨年4月に時限的に認められたものです。感染リスクへの不安に応えるための措置であり、感染拡大の中では必要な対応だと考えますが、禁止されている麻薬等を処方したり、疾患情報が把握できない場合の処方日数上限が守られないなど、不適切事例が指摘されており、疾患の見落としや誤診など診療上のリスクの高まりに対して患者も困惑する中で、「オンライン初診」に躊躇する医療機関は少なくありません。そのことは、この1年で実際に「オンライン初診」に対応した医療機関が1割にも満たないという、検討会による「検証のまとめ」(2021/5/31)にも表れています。
 「オンライン初診」の恒久化は「安全性と信頼性をベースに」としていますが、エビデンスがありません。医療に「安全と信頼」を求めるのであれば、「対面診療」こそが基本となるべきです。にもかかわらず、これまでの議論の中では、一度も診察をしたことのない患者に対しても「オンライン初診」を認めることが示されています。診察経験があっても、初診の段階で問診と画面越しの動画のみによって適正な診断を下すことは困難です。日本医学会連合の「提言」(2021/6/1 版)においてもそのことは明確に述べられており、患者情報が大幅に制限される「オンライン初診」では、安心、安全の医療は確保できません。
 オンライン診療はあくまで「対面診療」の補完として行われるものであり、それが離島やへき地などへの「遠隔診療」を出発点とした本来の位置づけです。規制改革推進会議では、これまでも「対面診療」を岩盤規制と主張しており、そのもとで、規制改革による成長戦略の一環として、「オンライン初診」をはじめオンライン診療の拡大を図るのであれば、問題だと考えます。
 以上のことから、私たちは、「オンライン初診」の恒久化に反対するとともに、「対面診療」の原則を堅持することを強く要請します。