健康保険証廃止法案の撤回を求めて要請書を提出

当会では、3月9日、内閣総理大臣、厚生労働大臣、デジタル大臣、総務大臣に対し、下記の要請書を提出しました。


2023年3月9日

内閣総理大臣
岸 田 文 雄 様

山口県保険医協会
会長 阿部 政則

健康保険証廃止法案の撤回を求める要請書

 政府は3月7日、健康保険証の廃止を含む一括法案を閣議決定しました。昨年10月、健康保険証を廃止する方針を表明したものの、その後の世論の大きな反発を受けて、マイナンバーカード(マイナカード)を取得していない国民に対し、新たに資格確認書を発行することを盛り込みました。しかし、あくまで健康保険証廃止であり、デジタル庁・検討会が2月17日に示した「中間とりまとめ」では、資格確認書の有効期間は最長1年、発行は本人の申請が必要とされています。
健康保険法は保険者に対し、保険料を支払っている被保険者への健康保険証の発行を義務付けています。保険者の責任で、健康保険証が全ての国民に届けられることは、国民皆保険制度の大前提です。「中間とりまとめ」では、マイナカードによる資格確認を基本としていますが、そもそもマイナカードの取得は法的に任意です。資格確認書も申請に基づく発行で、1年限定となると、保険料を適切に支払っている被保険者であっても申請漏れ等が起こり、「資格喪失」や「無保険」扱いが増加することによる医療機関窓口での混乱が懸念されます。また、資格確認書を申請・交付する手間が新たに発生し、自治体窓口や各保険者の事務対応も増加するなど膨大な社会的コストが生じるだけでなく、取得や利用が困難な患者・高齢者・家族にとってはさらなる負担となります。
政府はマイナカード取得の「メリット」を強調しますが、デジタル庁調査(1月末)でもマイナカードの健康保険証として利用申込するきっかけは、89.1%が「マイナポイントがもらえるから」で、「保険証利用にメリットを感じたから」はわずか11.6%です。患者・国民は、健康保険証を廃止しマイナカードに一本化することを求めていません。資格確認書は健康保険証と同様の情報(氏名・生年月日、被保険者等記号番号、保険者情報等)が記載されたものであり、これまで同様、健康保険証は原則交付し、マイナカード利用は「任意」とする形がもっとも合理的だと考えます。
以上のことから、私たちは下記の事項を強く求めます。

一.国民皆保険制度の根幹である健康保険証を維持し、これまで通り医療が受けられるよう、健康保険証廃止法案を撤回すること。

以上