私たちからの訴え

野党は現実的な政策を掲げて政権交代可能な政党に

 総選挙が終わりました。菅総理の時には自民党は相当負けると言う予想でしたが、巻き返しました。一方、立憲民主党は事前予想より大きく議席を減らし、枝野党首が辞任しました。この4年間の自民党は政策的に批判されていたのに、野党は選挙に勝利できませんでした。
 その敗因として考えられる1つは、民進党時代からの内部的争い、とくに国民民主党との主導権争いがあったと思います。2017年の前回総選挙における小池百合子東京都知事による「希望の党」への合流問題、その後の立憲民主党の立ち上げに至る流れが尾を引いていたものと思われます。2つ目はコロナ対策よりも、「桜を見る会」問題や森友問題に力を入れているととられたことだと思います。「桜を見る会」問題や森友問題は、その前の国会でも野党は責めましたが、攻めきれなかった件です。森友学園は、旧通産省の影響の大きい安倍政権のため、状況がよくわからない財務省が忖度して、そこに総理夫人の安倍昭恵さんが絡んでいたからややこしくなったと思います。国会答弁で安倍総理が、「妻が関与していたら、私は辞めます」と言ってしまい、総理の首のハードルが下がったため、政治問題化してしまいました。しかし、コロナ感染が広がる中で、「桜を見る会」、森友学園の追及をするというのは、国民の生命・安全を守る政治家としての資質への疑念を国民に抱かせたように思います。3つ目は野党による共闘、とりわけ日本共産党との選挙協力です。小選挙区ではまずまずでしたが、比例区で大きく議席を失い、自民党の批判票は日本維新の会にいきました。日本共産党について、自衛隊をめぐる問題が気になります。自衛隊は、阪神大震災、東日本大震災をはじめ、多くの災害時に国民のために大活躍しました。近年の頻発する豪雨災害や、地震大国日本に住んでいるので大災害に遭遇した際、個人での対応は困難であり、自衛隊の設備に頼らなくてはならないこともあると思います。また、近年の中国の南シナ海の侵略行為、香港民主化要求の学生に対する弾圧、北朝鮮の核開発やミサイル発射を繰り返すことなどをトータルで考えると自衛隊の存在を否定することはできないため、国家運営に関わる重要な問題を解決しないまま、目先の選挙のための野合と取られたと思います。
 1990年代の半ばに、ムーミンパパと呼ばれて大蔵大臣、内閣官房長官、新党さきがけ代表をつとめた武村正義さんが、アメリカ訪問時にクリントン政権のゴア副大統領と会談しました。その際に武村正義さんが、「アメリカの共和党と民主党の政策はほとんど同じで大した違いがないが、日本の政党は考え方が大きく違うので合意ができない」と発言しました。どういう通訳をしたかはわかりませんが、ゴア副大統領がえらく反応しました。「アメリカの共和党と民主党は、外交、経済、軍事、財政政策、移民問題、どれ一つとっても政策は全く違う。何を言っているのですか」とゴア副大統領は力説しました。武村正義さんは、「いやそうではないのだけど困ったなあ。」とうまく説明できなかったという事がありました。25年以上前になりますが、私は武村正義さんの言いたいことがよくわかる気がします。日本の主要政党の中には、非現実的な政策を掲げるところがありました。絵に描いた餅のようなもので、いくらでも主張できます。
 立憲民主党は党首が変わるので、大きく変わるチャンスです。与党に対案を提出できるように政策形成能力を身に付けて欲しいです。自民党が不甲斐なくても、勝ってしまうのは、野党がしっかりしないからだと思います。最大野党である立憲民主党が現実的な政策を掲げ、国民の生命・安全を守るという基本ができれば、自民党ももっと緊張感を持つはずです。その事が日本にとってプラスになると思います。

(2021年12月)