私たちからの訴え

第2回中国ブロック会議で「決議」を採択

決 議

 高齢者を中心に、全世代にわたる負担増計画が政府内で進められている。
 高齢者負担増の理由とされるのは常に「世代間の公平」である。しかし昨年11月26日、全世代型社会保障検討会議に遠藤久夫同会議議員(国立社会保障・人口問題研究所所長)が提示した資料からは、現役世代に比べ、高齢世代が実額、割合ともにより高い医療費を負担している事実が読み取れる。
 「支払い能力に応じた負担」との考えは国民に広く共有されているが、今一度、高齢者の負担能力を精査する必要がある。厚労省2019年「国民生活基礎調査」では、高齢者世帯の平均所得が前年調査の334万9千円から312万6千円へと22万3千円減少。加えて65歳以上の世帯主では「貯蓄が減った」の割合が43.4%と、他の年齢階級と比べ顕著に高い。
 全世代の平均所得の推移について、これも同じく厚労省2019年同調査を援用すれば、2009年の549万6千円から2018年の552万3千円へと、その間の伸びは2万7千円に過ぎない。貯蓄がない世帯は全世帯の13.4%、高齢者世帯で14.3%、母子世帯では実に31%を超え、「世帯の生活意識」は、どの調査年も例外なく「苦しい」が過半に及ぶ。
 このように国民各年代の生活が疲弊しているところを日本はコロナ禍に見舞われた。コロナの影響で拡大した受診控えは疾病の重症化を数知れず招いている。このことでコロナは、それ以前から続く経済的理由による受診抑制の弊害をも改めて問いかけている。
 現に全国保険医団体連合会が全国の保険医協会(保険医会)を通じて行った調査でも、コロナの影響による受診控えの結果、ガンの進行や発見の遅れ、心疾患や糖尿病、眼疾等の悪化、高齢者のADL、認知能力の低下、歯科では抜歯の増加、歯周病の重症化など、多くの疾病の発見の遅れや重症化事例が明らかになっている。この間の国民生活の困窮について付言すれば、自殺者がこの夏以降に急増していることが報じられている。
 以上のような国民生活の現状に照らし、とりわけコロナ禍の今、政治がなすべきことは国民生活に安心・安全を保障すべく、社会保障制度全般を幅広く充実させることにある。
 当協議会はこの見地に立ち、下記事項を国に継続して訴えつつ活動することを決議する。

一、75歳以上の窓口負担原則2割への引上げをはじめとする患者負担増を行わないこと。介護保険の利用者負担増(保険範囲の縮減、利用料引上げ等)を行わないこと

一、コロナ禍にあって、国民生活の真のセーフティーネットとなるよう社会保障制度を早急に充実させること

以上、決議する。

2020年11月15日

全国保険医団体連合会中国ブロック協議会
2020年度第2回ブロック会議