私たちからの訴え

新型コロナ対策のためにも診療報酬の適正な評価を

 新型コロナウイルス(COVID‐19以下「新型コロナ」)の感染拡大は、様々な業種に多大な影響を及ぼしているが、医療機関もまた、かなりの影響を受けている。山口県においては6月末時点で感染者は37人という状況だが、全国的にみれば、毎日のように感染者が出たとの報道が続いている。当会の調査によると、5月の受診状況では外来患者数が、医科で92・2%、歯科で91・9%が減少し、医科歯科とも減少割合は30%以下が大半を占めていたが、50%もしくはそれ以上の減少率を示しているケースも散見される。保険診療収入も医科で90・4%、歯科で85・5%が3割以下の収入減との回答を得ている。
 これまでも様々な要因で患者減(収入減)はあったが、毎年徐々に減少していく患者減(収入減)に加え、今回の新型コロナの影響も重なり、当院では、少ない日では1日、2~3人と、ほとんど開店休業状態である。4月においては開業以来初めて、歯科技工所への補綴物の製作依頼件数が0件となり、5月も小臼歯の単冠が1本、6月は少し持ち直してきてはいるが、4本という状況であった。他の医療機関の状況は不明だが、外来患者数が減少していることを考えると、歯科技工所もかなり影響を受けているのではないかと推測される。年収も2017年に比べ2018年はかなり減となったが(2018年と2019年はほぼ横ばい)、預金取り崩しは時たま生活費の不足分ぐらいで済んでいた。しかし、ここ最近はテナント料などの必要経費も賄えない状態になっている。現在、不必要な経費の見直しをしたりして、預金取り崩しをなるべく少なくし、何とか診療しているが、経費不足分を加えれば、ますます少ない預金が減少していく。当院の場合は借入金がないことや、スタッフがいないため人件費がいらない等、まだましではあるが、開業して間もない先生や、スタッフを多く抱えておられる医療機関は大変な状況だと思われる。
 このような厳しい状況の中にあるが、日本歯科医学会が「コロナ時代の新たな歯科システム」として発表した、歯科の院内感染対策に関する新たなガイドラインによると、治療前の(消毒薬を使用した)含嗽の実施や、本来は処置部の防湿のために使用するラバーダムを、エアロゾル飛散防止のために使用することなど、新型コロナ対策を念頭に置いた新たな対応が求められている。診療所によってはパーテーションの設置や口腔外バキュームの導入(追加)など、安くない設備投資が必要となる場合もあり、患者減による減収が続く中、診療所の経営にさらに負担が増すことになる。そのこともあって、先日成立した第2次補正予算で、今回の新型コロナの感染対策等の費用については100万円を上限に支援金が給付されることが予定されているが、そもそも、院内感染対策は、新型コロナの感染拡大に関わらず求められてきたものであり、基本診療料で評価するとされた。しかし、医療機関に求められている院内感染対策の内容を考えると、現行点数では十分に評価されているとは言い難く、各医療機関が新型コロナを含めて、しっかりと感染対策に取り組めるように、診療報酬で適正に評価がされるべきである。
 今は、山口県においては新型コロナの感染拡大は比較的落ち着いているが、第2波、第3波と再流行すれば、今以上に患者減や収入減が増えると思われる。貯金があるうちに何とか感染拡大が収束し、早急にワクチンが開発され、少しでも持ち直せばと考えている次第である。先生方も感染されないように、くれぐれも注意され、大変とは思いますがこのコロナ禍を乗り越えてえていきましょう。

(2020年8月)