私たちからの訴え

地域医療構想に基づく病床削減計画の見直しを求める要請書

2021年2月4日

内閣総理大臣
菅  義偉 様

山口県保険医協会
会長 阿部 政則

地域医療構想に基づく病床削減計画の見直しを求める要請書

拝啓 時下ますますご清栄のことと拝察いたします。
 新型コロナウイルス感染症の爆発的な拡大が続き、医療崩壊が現実となっています。この状況は、これまでの保健所の統廃合による体制縮小や診療報酬の削減等による感染症病床も含めた一般病床の削減、さらには医師、看護師養成数の削減など、医療提供体制を脆弱化させてきた結果であることは明らかです。にもかかわらず、通常国会で成立した感染症法等の改正では、病床確保などのための協力に従わなかった医療機関を公表できるとする罰則規定が盛り込まれており、到底容認できません。
 現在、新型コロナウイルス感染症罹患患者を引き受けているのは公立・公的病院が中心です。地域医療構想に基づく具体的対応方針の再検証が求められた公立・公的病院が2019年9月に発表されましたが、これらの病床が削減されていれば、一層悲惨な状況となっていたことは想像に難くありません。ところが、厚生労働省では、2020年12月に、地域医療構想は基本的な枠組みを維持しつつ、引き続き着実に取組みを進めていく必要があるという考え方を示しました。新興・再興感染症など感染拡大時における医療は、各都道府県の2024年からの「医療計画」に位置付けて対応することが前提となっていますが、新興・再興感染症を事前に予測することは不可能です。また、2021年度予算案においては、すでに進められている地域医療介護総合確保基金を活用した医療機関の機能分化・連携に対する支援について更に増額し、地域医療構想の実現を図るための「病床機能再編支援事業」として、「重点支援区域」の指定やそれに伴うダウンサイジングに対する財政支援を拡充することが示されています。しかし、今回の事態を踏まえれば、このような病床削減につながる補助事業によって地域医療構想を推し進めることは無理があり、解体的に見直す以外にありません。
 以上を踏まえ、当会では、政府として地域医療提供体制の再建に向けて全力を注いで頂くためにも、下記事項について要請します。

敬具

一、再検証要請対象医療機関をはじめとした既存の地域医療構想に基づく病床削減計画は、解体的に見直すこと。

以上