私たちからの訴え

個人情報の保護、自己決定権の保障を訴える決議(保団連中国ブロック)

 2021年4月29日、保団連第1回中国ブロック会議(WEB会議)が開催され、以下の決議を採択しました。


個人情報の保護、自己決定権の保障を訴える決議

 デジタル化推進を掲げてスタートした菅内閣は、「デジタル庁」の設置によって個人情報の「一元管理」を可能とする法整備に乗り出した。デジタル庁は首相をトップとする内閣直属の組織とされ、国の情報システムの整備管理、国と地方共通のデジタル基盤の整備等について他府省庁への勧告権を有するなど、強大な権限のもと、本格的なデジタル社会を目指すものとなっている。
 デジタル社会実現の「鍵」は、マイナンバー制度と、そのもとで得られるデータ利活用の推進である。そのため国は、マイナンバー制度の確立に向け、マイナポイント獲得キャンペーンや、マイナンバーカード(以下カード)の保険証利用など、カードの普及に躍起となっている。それによって広範に取得される大量の情報こそ、目指すデジタル社会への基盤を成すと考えているからである。
 デジタル社会では各人の行動履歴や購買履歴、更には「データヘルス改革」と称し個々の医療情報が集積される官民共同の巨大インフラが誕生する。それは共通番号で紐づけられた個人情報に対し、その自己決定権など自らが情報をコントロールする個人の権利が蔑ろにされたまま、特定企業の利益のために利活用されかねない環境が生まれることを意味する。
 デジタル社会化は世界の潮流だが、厳重な個人情報保護制度が無くてはならない。政府の目指す方向は、個人情報保護の壁をいかに低くするかという視点に貫かれている。そのことからも、国民の個人情報が、前述の通り民間企業には収益の源泉として供され、国にあっては国民を管理、監視するためのツールとされることが予想される。そうした社会では、健康、医療等に関する個人情報が、「自助」の名のもと、社会保障抑制の具とされるであろうことも、この間の政権の姿勢に照らし合わせれば容易に想像できる。
 デジタル化の行き着く先は、超監視社会であると考えられる。そのような社会が出現すれば、思想・信条の自由に基づく自由な発言、政治活動が委縮することも、杞憂と済ますことはできない。
 当協議会は、そうした社会を是としない立場から、下記事項を関係機関に訴える活動に取り組むことを決議する。

一、究極の個人情報である医療情報は、その利活用ではなく保護を主眼とすること
一、マイナンバーによる個人情報の利用拡大を図らないこと
一、種々の行政手続きにおけるマイナンバーの提出を将来にわたり義務付けないこと
一、マイナンバーカードの保険証利用を義務付けないこと

以上、決議する。

2021年4月29日

全国保険医団体連合会中国ブロック協議会

2021年度第1回ブロック会議