私たちからの訴え

オンライン資格確認導入の原則義務化に反対する理事会声明

地域医療の崩壊につながる
オンライン資格確認の導入の原則義務化に反対する

 2022年8月10日、中央社会保険医療協議会(中医協)は、来年4月からのオンライン資格確認の導入の原則義務化を厚生労働大臣に答申した。

 答申では、療養担当規則を改正し、患者がマイナンバーカードで受診した場合の資格確認は、オンラインによって行わなければならないとするとともに、そのための体制整備等を義務とした。紙レセプト請求の医療機関は例外とされたが、オンラインでの請求は約66%で、オンライン資格確認の運用開始数は約26%である(8/10中医協資料)。この状況下で、あと半年足らずの間に導入を推し進めることは、誰が見ても無謀であり、非現実的と言わざるを得ない。実際、多くの医療機関で導入が進んでいないのは、カードリーダーを申し込んでも、ベンダー側の作業が遅れているためである。にもかかわらず、オンライン資格確認が普及しないことを医療機関の怠慢としてすり替える論調は到底容認できない。その上、療養担当規則への位置付けとなれば、それに従わなければ違反となるため、結果、保険診療ができなくなり、地域医療は崩壊する。医療DXの基盤整備と称して、このような強制的な手法が許されるはずがない。

 中医協では、この日、電子的保健医療情報活用加算を廃止し、新たに、医療情報・システム基盤整備体制充実加算を新設することも答申した。医療機関での初診時において、健康保険証で受診したほうがマイナンバーカードで受診するよりも患者負担増となってしまうことによる誘導策である。そもそも、マイナンバーカードの取得が進まないのは、情報漏洩などセキュリティをはじめとしたマイナンバー制度に係る諸問題の解決が図られないためで、それを放置したまま、診療報酬による強引な政策誘導を行うことは、医療現場を混乱させるだけである。

 したがって、当会では、今回の答申に断固反対する。オンライン資格確認の導入の原則義務化は撤回するよう強く求めるものである。

2022年8月23日  山口県保険医協会理事会