私たちからの訴え

オンライン資格確認システム導入「義務化」の撤回を求めて要請

 当会では、10月19日、オンライン資格確認システム導入「義務化」の撤回を求め、地元国会議員に対して要請を行いました(同様の趣旨で中医協委員にも要請)。


2022年10月19日

衆議院議員
林 芳 正 様

山口県保険医協会
会長 阿部 政則

オンライン資格確認システム導入「義務化」の撤回を求めます

拝啓 貴職におかれましては、国民の生命と暮らしを守るため、ご尽力頂いておりますことに心より敬意を表します。
 さて、政府の「オンライン資格確認原則義務化」方針により、9月5日に医療機関にオンライン資格確認の体制整備を義務付ける療養担当規則の改定が告示されました。そもそも国が国民に対して義務を課すにあたって、その根拠は法において明らかとされるべきですが、資格確認の基本条文である健康保険法はそのままにして省令である療養担当規則の改定で対応しています。しかも、厚労省はオンライン資格確認の体制整備が「保険医(保険医療機関)指定取消事由」となるとして、医師の裁量権や生活権を脅かしています。本来国会において議論されるべき事項にもかかわらず、厚労省のこうした対応は厚労省令を法に優先させるものであり、行政の範疇を超えたものとして大いに問題だといえます。
 9月に当会で実施した会員アンケートでは「義務化」反対の声が強く示されました。カードリーダーを申し込んだ医療機関を含めて、多くが「オンライン資格確認の必要性を感じない」との意見です(同封資料をご参照下さい)。現時点でオンライン資格確認を運用する診療所は2割に達していません。このまま来年の4月を迎えることになれば、「義務化」によって、システム化に対応できない(したくない、する必要性を感じない)医療機関は排除されてしまい、地域医療は崩壊してしまいます。さらに問題は、このシステムがマイナンバーカード保険証利用とセットになっていることです。マイナンバーカードの取得は任意であり、それゆえ交付数は5割に達していません。こうした中、政府は10月13日、マイナンバーカードとの一体化を前提に「保険証を2024年に廃止する」ことを表明しました。「骨太方針2022」における「原則廃止」をさらに進めており、国民にマイナンバーカードの取得を義務付けるものとなっています。医療機関にシステム整備を義務化してマイナンバーカードの普及を後押しさせ、さらには保険証の廃止まで打ち出したことは、患者、国民にも大きな影響を及ぼします。個人情報保護やセキュリティ問題など解決されていない課題が多いにもかかわらず、法的根拠も希薄なままマイナンバーカード取得を国民に義務付け、それを前提としたシステム導入を医療機関に強制することには反対です。
 オンライン資格確認を医療機関に義務付ける上で、その法的根拠を明らかにすべく国会審議は全く行われていません。「保険証の廃止」という新たな国民的問題も含め、国民が安心して医療にかかることができ、医療機関が安心してシステムに対応できる環境整備が行えるよう、貴職には、この問題についてぜひとも国会で取り上げて頂き、医療機関の事情を十分考慮した議論をお願い致します。その上で、2023年4月からのオンライン資格確認「義務化」の撤回とともに、今まで通りの保険証発行に向けてのご尽力を求めるものです。

敬具