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2020年4月診療報酬の実質マイナス改定合意に抗議する理事会声明

 当会では、12月17日の財務大臣と厚生労働大臣の大臣折衝による2020年4月診療報酬の実質マイナス改定合意に対して理事会声明を発表、内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣、地元国会議員に要請を行いました。


2020年4月診療報酬の実質マイナス改定合意に抗議する 

 12 月17日、財務大臣と厚生労働大臣の大臣折衝により、2020 年度診療報酬改定率はマイナス0・46%で合意された。当会では、この間、診療報酬の引き上げを求めて会員要請署名に取り組み、関係閣僚はじめ国会議員に対して、全体でのプラス改定を求めてきただけに、今回の決定には強く抗議するものである。
 改定率は、診療報酬の本体が0・47%、消費税財源を活用した救急病院における勤務医の働き改革への特例的な対応分が0・08%として、計0・55%引き上げ、薬価・材料価格は1・01%引き下げで、全体としては実質のマイナス改定となった。薬価等の引き下げで捻出した財源は、高齢化による社会保障費の自然増部分1300億円程度を圧縮することに回され、またしても、「薬価等の引き下げ分は本体に振り替えて改定財源を捻出する」とした中医協での合意(1972年)は反故とされた。
 そうした中、今次改定の特徴は、「勤務医の働き方改革への対応」として、地域医療介護総合確保基金から143億円程度積み増したことである。財源を「別枠」で確保できるのであれば、診療報酬改定財源に盛り込むことで、本体は更にプラス改定とできたはずだが、実際には、この基金分を加えても全体ではマイナス改定とした。このことは、「働き方改革」に対する予算を確保したことを殊更に強調し、マイナス改定である事実を覆い隠したと言わざるを得ない。
 言うまでもなく、診療報酬は、医療の質と安全を担保すると同時に、医療経営の安定を保障するものである。診療報酬を引き下げるということは、医療機関の原資が減るために、医療従事者の待遇にも影響が出る。政府が勧奨する賃金の引き上げは不可能であるばかりか、「働き方改革」にも逆行し、さらには国民医療の水準を低下させることとなる。
 今回の合意内容では、2002年以降からの累計10%に及ぶマイナス改定によって疲弊した医療現場を改善させるには程遠く、当会としては到底認められるものではない。萎縮診療を強いられれば、結果として、患者は安心して医療を受けることができなくなる。全体での診療報酬引き上げは不可欠である。過去のマイナス改定の教訓を顧みなければ、アベノミクス社会保障改革が再び医療崩壊を引き起こしかねない。その最大の犠牲者が患者、国民であることを政府は認識し、長きにわたる医療費抑制策を転換するよう求めるものである。

2019年12月18日 山口県保険医協会理事会