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2018年度介護報酬改定に関するパブリックコメントを提出

 1月26日の社保審・介護給付費分科会で、次期介護報酬改定について諮問・答申されたことを受け、厚労省ではパブリックコメントを募集していたことから(2/24〆切)、当会では2月20日に意見を提出しました。


1)介護報酬を大幅に引き上げること

 今次介護報酬は0・54%の改定率とされたが、前回の全体2・27%、本体4・48%という過去最大のマイナス幅から考えれば、極めて不十分と言わざるを得ない。介護報酬は、国民が受ける介護の質と量を規定するものであり、介護崩壊という事態を食い止めるには、プラス改定以外に方策はない。また、「公定価格」の中で運営している事業所経営を安定させることで、介護職員の処遇改善を図ることができるわけで、さらには、在宅や入所者の高齢化や重症化が進み、容態の急変等に対応する医師の負担に応えるために、報酬を引き上げることが不可欠となっている。したがって、少なくとも、前回のマイナス幅を解消する程度の介護報酬の大幅な引き上げを求める。

2)介護療養型医療施設の廃止方針を撤回すること

 介護医療院が新設される一方で、介護療養型医療施設は6年間の経過措置を設けた上で廃止するとされたが、介護医療院はあくまで新たな介護施設である。介護療養型医療施設は、医学的管理を必要とする患者を支えてきたわけで、介護医療院とは位置付けが全く異なるものである。山口県は、中山間地域が多く、高齢単身世帯が全国4位で、2013年療養病床年齢調整入院受療率が全国第2位となっているが、それは、医学的管理の必要な患者に対し、家庭での療養や介護力が弱い環境を療養病床が支えてきたことを意味する。したがって、適切な医療が行える療養病床を存続させた上で、地域医療に果たしている役割を十分に評価し、介護療養型医療施設の廃止を撤回すべきである。

3)単一建物居住者の減算規定は廃止すること

 居宅療養管理指導費における同一建物居住者への減算規定に代わり、「単一建物居住者」の取扱いが導入された。当会では、診療報酬上におけるこれら一物多価の取扱いについて、現場に混乱をもたらすものとして即時廃止を求めてきたが、介護報酬上にも拡大されたことは容認できない。しかも、居宅療養管理指導は、「居宅療養上の指導や他の事業所との連携」を評価するものであり、訪問人数によって減額される理由は見当たらない。他方、訪問看護や訪問リハビリテーションなど訪問系サービスについて、同一建物等居住利用者へのサービス提供減算における建物の範囲や、居住利用者の人数により減算幅が拡大されたこと、さらに当該減算があるために新たな矛盾を引き起こし、当該減算は区分支給限度額管理の対象外として減算適用前の単位数で管理するとされたことは不合理であり、こうした減算の取扱いは廃止するよう求める。

4)「医療保険と介護保険の給付調整」は廃止すること

 特別養護老人ホーム(特養)等施設入所者に対する医療について、現場では大きな問題となっている。今次改定で、特養において看取り介護加算を算定していても、ターミナルケアに係る診療報酬との併算定は可能であるとする要件が盛り込まれたことは評価するが、こうした付け焼き刃ではなく、「医療保険と介護保険の給付調整」(「給付調整」)による医療の算定制限を廃止すべきである。「給付調整」による不合理は、とくに特養等施設入所者に対する医療が最たるもので、特養の配置医師は、入院患者や重症の在宅患者と同様、常に症状観察と診療を行っているにもかかわらず、通常の外来患者や在宅患者であれば算定できる保険診療が入所者には認められない。医療と介護の同時改定である今こそ、「給付調整」を廃止すること。少なくとも、特養等施設入所者に対する医療の算定制限を止め、医療行為を正しく評価することを求める。

5)必要なリハビリテーションは医療保険から給付すること

 介護報酬上における訪問・通所リハビリテーションは、「生活機能の維持又は向上を目指す」ことが基本方針に位置付けられているが、そもそもリハビリテーションは、医師が診断し、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士に指示した上で、専門職が行う医療行為であり、患者の病態に応じて医療保険から給付すべきものである。にもかかわらず、要介護者等に対する維持期リハビリテーションについて、医療保険での算定可能期間が平成30年度末までとされたことは到底認められない。介護保険では、通所リハビリテーション施設等の受け皿整備と同時に、区分支給限度額によって、必要なリハビリテーションが受けられなくなる可能性もあるわけで、維持期リハビリテーションの廃止方針そのものを撤回するよう求める。

6)国が責任を果たし、介護保険を充実させること

 経済財政諮問会議の「経済・財政再生計画」に基づき、利用者負担増を中心とした介護保険の見直しが進められている。これまで、要支援1・2のホームヘルプ、デイサービスの保険外しと市町村事業化(新総合事業)、特別養護老人ホームの新規入所を原則要介護3以上、一定以上所得者の介護利用料の2割負担化、介護施設等の食事・部屋代の負担軽減(補足給付)に預貯金等を資産要件化、高額介護サービス費の限度額引き上げ、介護納付金への総報酬割の導入などが実行され、本年8月には、現役並み所得者の介護利用料の3割負担化が目指されている。こうした公的な介護サービスの縮小と利用者負担増が、介護崩壊を引き起こしている。国が責任を果たし、公的負担を増やすとともに、利用者負担を軽減してこそ、国民が安心して介護を受けられることを訴える。

以上