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介護療養病床及び25対1医療療養病床廃止の撤回を求め要請

 2018年度診療報酬・介護報酬同時改定に向けた議論が活発となっている中、当会では、11月2日、内閣総理大臣、厚生労働大臣に対して、下記の要請書を提出しました。


2017年11月2日

内閣総理大臣 安倍 晋三 様

山口県保険医協会
会長 岸 本  修

地域に必要な入院医療を守るため、
介護療養病床及び25対1医療療養病床廃止の撤回を求めます

謹啓 貴職には、日夜、国民医療・介護の向上にご尽力を賜り、厚く御礼申し上げます。
 現在、各都道府県で地域医療構想が策定され、地域に必要な病床数に関し、各調整会議で議論が進められています。これにより、「慢性期病床」である療養病床については、2023年度末までの6年間の経過措置があるとは言え、介護療養病床は約6万1000床、25対1医療療養病床は約7万6000床が廃止されることになりますが、それに伴い、新たに創設される「介護医療院」として転換を促す方向が示されています。
 2015年の医療施設調査における病床数と地域医療構想における2025年の病床目標との差を比較すると、「慢性期病床」は、全国で7万床以上が削減される計画(山口県においては4300床削減)となっており、退院を余儀なくされる患者の発生が懸念されています。「介護医療院」がその受け皿となるため、病床削減による医療・介護難民は発生しないという向きの意見もありますが、「介護医療院」はあくまで新たな介護施設であり、看取りやターミナルケアなどの機能強化を図ったところで、療養病床と同じような医学的管理を行えるのか、現場では困惑が広がっています。
 とくに、山口県は、中山間地域が多く、高齢単身世帯が全国4位で、家庭での療養や介護力が弱い環境を療養病床が支えてきたわけで、2013年療養病床性・年齢階級調整入院受療率が全国第2位となっているのはそのためです。国が、医療従事者と患者の切実な声を受け止めて廃止期限を延長した2011年度時点よりも、その存在意義はますます高まっていると言えます。「介護医療院」を創設するにあたって、具体的な報酬単価や施設基準を設定する前に、適切な医療が行える療養病床を存続させた上で、地域医療に果たしている役割を十分に評価すべきです。
 一方で、入院時食事療養費・生活療養費の負担増や、70歳以上の高額療養費の見直し、介護利用料の引き上げなど、相次ぐ患者負担増により、入院医療を受けることができない状況を一刻も早く無くすことが求められます。
 以上のことから、当会では、下記事項の実現を要望します。ご尽力下さいますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

謹白

一、地域に必要な入院医療を守るため、 介護療養病床及び25対1医療療養病床の廃止を撤回すること。
一、2018年度診療報酬・介護報酬同時改定において、病院と有床診療所がその役割を発揮できるよう、報酬を引き上げること。
一、患者負担増の施策を止め、患者負担を軽減することによって、保険でよい医療を提供できる環境整備を図ること。

以上