私たちからの訴え

雇用保険手続時のマイナンバー記載問題で山口労働局に要請

 雇用保険の各給付申請書にマイナンバーの記載欄が設けられた問題で、7月11日に当会では山口労働局へ要請しました。この要請後、未記載の理由が確認できれば原則受理されることを確認しています(詳しくは、会報7月号参照)。


山口労働局長殿

平成30年7月11日
山口県保険医協会
山口市小郡栄町1-2

雇用保険手続きにおいて
マイナンバー不記載の書類を返戻しないでください

 貴職におかれましては、日々労働行政の重責を果たしておられることに、心より敬意を表します。私ども山口県保険医協会は、県内の医師・歯科医師約1500名で構成する団体で、厚生行政に関心を持って活動しています。
 さて、県内のハローワークにおいて、雇用保険の加入や給付申請等の手続時に、マイナンバーの記載がない書類を返戻する旨の取り扱いや、マイナンバー不記載の理由を届出時に報告したにもかかわらず、後日ハローワークの職員から、従業員のマイナンバー収集は事業者の義務であると受け取れる内容の連絡が入るなど、当会会員の医療機関で、マイナンバーを記載していなければ雇用保険の手続ができなくなるのではとの不安が広がっています。
 事業者の義務である雇用保険の手続において、マイナンバー不記載により書類を返戻するという取り扱いは、事業者に記載の強要と捉えられかねず、従業員に対するマイナンバー提供の間接的強制とも受け取られます。
 「マイナンバー法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)」では、従業員に事業者へのマイナンバー提供を義務付けていません。また、マイナンバーの提出を拒否した従業員への不利益な処遇も禁止しています。事業者に対しても「施策に協力するよう努める(第6条 事業者の努力)」としているにとどまります。この趣旨に照らしても、上記の様な対応は適切ではないと考えます。返戻や再提出となれば、当該申請の支給時期が遅れる可能性もあるなど、加入者に不利益が生じることも予測されます。
 加えて、厳重な安全管理措置に対応しきれず、収集のための準備が整っていない医療機関もあるのが実情です。「記載がなければ返戻する」という一方的・一面的な取り扱いは、事業者に過重な管理負担を負わせるもので、法令に則した労務管理を監督する立場の貴職が、事業者の法令違反を助長させる行為に等しいものと言わざるを得ません。
 また、昨年は、事業者に送られる住民税額決定通知書にマイナンバーを記載したことによる多数の漏えい事件が発生し、今年からマイナンバー記載を撤回しています。さらに、今年3月に発覚した日本年金機構のデータ入力委託問題による海外へのマイナンバーを含めた個人情報流出疑惑など、行政機関の安全管理体制に疑問を持つ国民が急増している状況の中で、事業者はマイナンバーの取り扱いを慎重にならざるを得ないという考えが強くなっています。
 つきましては、下記事項について強く要請いたします。

 記

 一.マイナンバーの不記載をもって雇用保険手続の書類を返戻せず、速やかに受理すること
一.事業者に従業員のマイナンバー収集を強要させるかのような取扱いをしないこと
一.雇用保険の加入者に不利益を発生させないこと

 以上