私たちからの訴え

総会を終えて 「ストップ!患者負担増」の取組みを推進

 8月8日に山口県保険医協会の第26回代議員会、第48回定期総会、ならびに山口県保険医協同組合の第24回総代会が開催された。
 代議員会・定期総会では、阿部会長から、この間の医療情勢の動向として、政府の掲げる「全世代型社会保障制度」の問題について、指摘があった。
 すなわち、政府は、「子どもから現役世代、お年寄りまで、全ての世代が安心できる社会保障制度への改革」と称して、「全世代型社会保障制度の実現」という耳触りの良い政策アピールを行っている。経済財政運営の基本方針である「骨太の方針」では、財政再建に向けて社会保障費の圧縮を重要課題として、社会保障関係費の実質的増加を「高齢化による増加分の伸びに抑える」よう求め続けており、毎年8000億円から1兆円と見込まれる自然増を、年間5000億円に圧縮する方針の下、安倍政権発足後の2019年度までの7年間で1兆7000億円も削減した。高齢化分が大半を占める医療費自然増の実態を考えれば、高齢化以外の要因も含めた削減が医療費において行われることを意味しており、「全世代型社会保障制度」の実現とは、自然増削減のために、全世代にわたって「痛み」を分け合おうということに他ならない。つまり、現行の社会保障制度があたかも「高齢者に向けた制度」であるように見せかけて、「全世代型」とすることで、全ての世代に恩恵が行き渡るかのように宣伝し、実際は「財政健全化」を求める財務省の方針に沿って、全ての世代への負担増を計画しているものである。
 すでに、秋からの関係機関での議論に向けて、政府が攻勢を強めてきていることは、新聞報道等に散見される。かかりつけ医は定額制とし、かかりつけ医以外を受診した場合は定額の負担を上乗せする、高額新薬の保険収載を口実として、日常診療の汎用医薬品(湿布薬、ビタミン剤、保湿剤、漢方薬等)は保険対象外とする、後期高齢者の医療費窓口負担や介護利用者の自己負担を倍化させる、ケアプランを有料化する、などで、アドバルーンがあげられた。また、来年度は診療報酬改定が行われるが、春から夏にかけて議論された第1ラウンドでは、「全世代型社会保障制度」の下、「年代別の課題」なども踏まえて検討が進められるとともに、地域医療構想、医師の働き方改革、医師の偏在対策、医療のICT化など、昨今の医療と関連性の高いテーマについても議論が行われた。
 そして、これらはいずれもが「骨太の方針」に盛り込まれているものであり、その点においては、これまでにも増して政策改定となることは疑いなく、秋からの第2ラウンドでの議論について、十分注視しておかなければならない。
 当会では、第48期の総括的な活動方針として、①患者負担の軽減、国民皆保険を守る活動、②消費税増税中止と「損税」解消対策、③歯科医療費の総枠拡大の取り組み、④診療報酬改善、⑤審査、指導、監査、適時調査への対応、⑥地域医療の充実、発展、⑦会員の生活と権利を守る活動、⑧組織の拡大、強化、の8項目を掲げて、取り組んでいくこととした。第一義的に掲げた、保険医である医師・歯科医師が、国民皆保険制度を守り、患者負担の軽減を図る取組みを進めることは、協会の果たす使命であると考える。理事会ではその具体化に向けて知恵を出し合い、運動の具体化を図っていく所存である。会員の皆様におかれては、どんなことでも構わないのでご意見を上げて頂きたい。

(2019年9月)