私たちからの訴え

新型コロナとの「戦い」 政府は今こそ先を見据えた対策を

 旧約聖書の創成期に、興味深い記載があります。エジプト王が夢をみた。夢でナイル川の畔にたった。すると、その川から美しい、肥えた7頭の雌牛が上がって来て葦を食っていた。その後醜い、やせ細った雌牛が、肥えた7頭の雌牛を食い尽くした。そこで夢が覚めたが、再度夢を見た。次の夢は、1本の茎に太った良い7つの穂が出てきた、その後また痩せて焼けた7つの穂が出た。痩せた穂が、あの太った穂を丸呑みした。そこで夢が覚めた。2回も見るとは、予知夢ではと、夢の解釈を探した。夢はエジプト全土にこれから7年の豊作があり、その後に7年の大飢饉がある。今の内に備えなくてはならないので、豊作時に大量に備蓄して備えたという話です。実際に大飢饉がきたが、しっかりとした蓄えで乗りきれましたという記載です。
 この話は、「景気が良い時こそ、不況時に備えなくてはならない」と言う教訓と、「大昔より好況・不況の変動の波がある」ということを教えてくれます。好況時に不況時の備えなくてはならないと言います。
もっともですが、医療業界はここ数年、診療報酬の改定は減額、減額で来ています。ちょうど国は病院の病床削減計画を実行中で、経営的には厳しいものがあります。そして新型コロナウイルス(以下、コロナウイルス)です。例えるなら、「7年の不作で、今大凶作に陥っている」状態です。今後、医療機関の経営が立ち行かなくなる所も出てくる可能性があります。現在、マスクや防護服が不足している状況ですが、現場に調達を任せている状況です。まるで、第二次世界大戦時の日本軍をみているようです。第二次世界大戦時、日本軍の前線への補給対応は酷かったです。政府は無策で、前線にロクに物資供給せず、兵士には捕虜としての生き恥をさらすな、玉砕するまで戦えと強要しました。
 最悪、このコロナウイルスとの戦いは、収束まで2年かかるのではという予測まであります。ネットの仮説の中で、気になったものを紹介します。仮説1:スペイン風邪が2年間続いた。2年目に劇症化して多くの死亡者が出たので、今回のコロナウイルスも2年くらいかかるのではないか。ひょっとすると劇症化するのではないか。仮説2:ウイルスが弱毒するまで、200回変異を繰り返す必要がある。コロナウイルスの1回変異のスピードは、3・5日。200回×3・5日という事でおよそ700日。よって、収束まで2年間かかると予測があります。この予測は外れて欲しいと思います。
 これはあくまでも仮説で全く根拠はありませんが、もし今年の冬にコロナウイルスが再度流行するなら、大変です。コロナウイルスの勢いが衰えている5月末の今こそ、政府が戦略を練り方針を示し対策を立てて欲しいです。先の戦争の日本軍のようになって欲しくありません。
 コロナウイルス関連のニュースはインパクトがあるものばかりです。東京オリンピック開催延期、アパレルメーカー・レナウンの倒産。日本のコント王・志村けんさんや、明るい性格の岡江久美子さんが亡くなりました。その中で、今後経済面に最も大きな影響を与えるのではと思うことがありました。コロナウイルス対策で、世界中の政府の膨大な財政支出、多くの中央銀行が前例のない量的緩和が開始しました。特に、米FRBが低格付け債券(ジャンク債)の購入を開始しました。追随する中央銀行も出ると思います。膨大な財政出動の受け手は、中央銀行しかあり得ないと思います。禁じ手に踏み込み始めました。ここまで金融緩和を行えば、将来に法定通貨の信任を問うことになるのではと思います。
 全人類が大暴風の中にいる状況です。世界中で色々な施策がなされています。どれが正しいかは現段階ではわかりません。コロナ終息後に検証し、どうすれば良かったか、後世に伝えていかなくてはならないと思います。後世の人に「あの時の日本人はそれなりに頑張った。そう悪くなかった」と言ってもらいたいです。明けない夜はありません。希望を持って行きたいです。

(2020年6月)