私たちからの訴え

マイナンバー制度は廃止・凍結すべき

 会員の皆様は、現金での支払いが不要な「キャッシュレス決済」を利用されていますか? 100億円キャッシュバックで有名になった「PayPay」をはじめ、多くのサービスが乱立するようになってきました。中でも、7月1日に開始されたコンビニ最大手傘下の「7Pay」は、期待も大きく、登録された方もいると思います。ところが、サービス数日で多額の不正アクセス被害が発覚し、サービス停止を余儀なくされました。高齢者にも登録しやすいように、登録時の本人認証セキュリティを多段階にしなかったのが問題だったようです。このようなサービスで最も重要なセキュリティ対策をおろそかにした、拙速なサービス開始にあきれるばかりです。
 話は変わって、「国民の利便性の向上」「行政の効率化」「公平・公正な社会の実現」を目的に導入されたマイナンバー制度ですが、サービス開始から早3年が経過しました。
 今のところ国民の利便性といえば、住民票などのコンビニ交付が可能となったことくらいでしょうか。マイナンバーカードの登録の取得率が開始3年を経た今でも1割程度と、一向に普及が進んでいないことは、利便性を感じている国民がほとんどいないことの表れではないでしょうか。また、日本年金機構や国税局が、マイナンバーを含む個人情報のデータ入力を外部委託したことが原因で、数百万人分のマイナンバー情報が漏洩されたトラブルがあったことも、取得率低迷の一因ではないかと思われます。情報漏洩に関しては、情報を扱う事業所が責任を有し、漏洩時には厳しい罰則が設けられていますが、前述の行政機関には今のところ何のお咎めもなく、制度に対する不信感は増すばかりです。
 デジタル社会を目指す上で、マイナンバーカードの登録の取得率上昇は重要な課題となりますが、医療・健康関連からカード登録を普及させるよう、政府側は強引な方策を繰り出しています。今後、「オンライン資格確認機能」として、オンラインでの健康保険の被保険者資格の確認にマイナンバーカードを利用できる仕組みが導入されることとなっており、令和3年3月からマイナンバーカードの保険証利用を本格運用していく方針となっています。この機能による保健医療記録との共有化を手始めとして、健診データや介護記録、薬剤情報など、あらゆる個人情報が、マイナンバーカード1枚の中に集約されることとなります。さらに預貯金情報、証券取引情報、所得情報、納税情報などと統合することで、国民統制を図る基盤ができ上がることとなります。また、これらの個人情報は、現状は提出先が行政機関に限定されていますが、いずれは民間に開放されていく狙いが、規制改革推進会議で示されています。
 スマホでのキャッシュレス決済や手続きの簡素化、人手不足を解消するAI化など、デジタル社会の到来は、世界的に見ても、ましてや超少子高齢化の先頭を行く日本において、避けて通れない流れであることは理解できます。しかし、マイナンバーカードから漏洩される情報量は、スマホ決済トラブルの情報量とは比べものになりません。
 今回の参議院議員選挙では、マイナンバーカード普及を進める政権与党が過半数を維持しており、選挙が終わった今後は、制度の普及に向けた動きがさらに活発化するものと思われます。
 しかし、国民にリスクを押し付けるだけの、ましてや取得率が1割という、そもそも国民が望んでいないこの制度を継続させることはできません。当会では制度自体の廃止・凍結を強く求めます。

(2019年8月)